(私企業対象)収益事業としてのエコシステム養殖

資金概要と収益率は「売値」と「技術習得」で変わってきますが、養殖は一種の装置産業ですので、大型になるほど一匹あたりの原価・経費が安くなり、収益率が向上します。

企画によって補助や融資に差ができますのでご相談願います。

※以下コスト・設備費等につきましては、東日本大震災の影響や昨今の異常気象により、全面的な見直しをしているところです。
そのぶん、割高になっておりますので、価格については仮のものとしてお考えください。状況・環境等により個別に設計させて頂きます。

 

①生産能力

1ケ100㎡のコンクリート製小割り組み立て水槽を並べ、育成槽とします。1回の稚エビ輸入単位は20万匹。

一般には2m/m位の稚エビを放流すると、成魚まで3~4ヶ月かかります。病弱な稚エビは淘汰され、一種の間引効果もあり、数量管理もしやすくなります。1ヶ月飼育し、子エビに成長した1cmものを放流しますので、安全率も増し、投資回収も早まります。

一回の稚エビ輸入20万匹を受け入れる水槽400㎡から出発し、得意先の開拓・技術習得に応じて40万、60万、80万、12回出荷と大量・高速養殖に向け設備調整します。

 

②設備費用(コンクリート製小割組立水槽)

小割組立水槽施設は、ライフライン・取排水等付帯設備と設計料が別途必要。ランニングコストも含めて、農業用温室栽培よりも若干割増しになりますが、1年間で初期投資額を売り上げる事が可能です。ただし、余裕を持った予算が欲しいのです。施工は地元業者に技術移転し、地元業者と協業組立作業とします。

③水槽設備内容

水槽は温室屋根付き。風や雪対策。三面断熱仕様、水温・空調管理、水浄化剤、造流、汚物ろ過・回収・排出、人工漁礁、海藻等々を備えています。コンクリート製小割組立水槽10m角・100㎡・100tで、1基ごとに水槽内ろ過機能を備えています。最小4槽から初め、6槽で出荷・親エビ用追加、8、16、20基と、資金と販売力に応じ必要な数だけ選べる大・小自由選択式です。

 

④市場卸(まとめて出荷・生産技術重視)

メキシコ湾油汚染(10年は修復不可能か)、病気の蔓延ほか、諸事情の変化や海外需要が拡大し、輸入品価格が高値・品薄に推移しています。

輸入冷凍物安く見積もって例として1,500円/kgとして、生産原価が1,000円前後(人件費・一般管理費15%込み)ですので、年100万匹で年1回転、5年で投資額の回収が出来る見込みです。

なお、別掲『大量生産・漁業団地システム』ではブランド化したり、条件が色々変わってきますので、人件費・一般管理費を含まず、原料費(加温含む)を試算しています。

 

⑤国産有機養殖価格等高品質価格

「国産有機品」として、輸入品3割増しの場合、投資額1回転・売上げ75万匹で可。

タイの有機養殖品は冷凍品でも3割高で欧州向けに出荷しています。美味、安全、鮮度維持加工等高品質化によるブランド確立による付加をつける事も必要です。

現状、卸売市場、薬剤利用の4等級品価格は勿論、非薬剤一等級品より、高級品としての格付けを勝ち取りましょう。

 

⑥業務用需要家向き卸し(営業力発揮)

営業力があり、販売経費をかけ、業務用需要家に向けて直接販売すると、3~4,000円/kgになりますので、この販売量が増えると、投資回収は『短期間』に出来るようになってきます。

 

⑦生存率および養殖密度

子エビから計算して、年6回出荷が90%、分養して12回出荷が85%で計算しています。稚エビから計算すると75%~70%に見合うことになり、誇張のない計画でご案内しています。

1997年に函館で開かれた国際養殖セミナーで、循環養殖システムとして目標とされた養殖密度が 10kg/? としています。ここではその60%を当面の目標としています。

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⑧既設建物再利用型室内養殖

樹脂製組立水槽を建物にあわせて施工。水槽設備は新設小割水槽より割高。養殖効率・生存率を考えた設計配置でないので、新設より低い。ランニングコストも高くなります。既設温室ハウスを利用した時は、ハウスに合わせたコンクリート製水槽を作る事になります。

⑨内陸面バナメイ養殖のコスト

都市部の工場等の空きスペースで行う野菜栽培施設が人気で、3.3㎡当たり60万円という安価のものも登場してきました。そこで空きスペースでバナメイ養殖も出来ないかという問い合わせをいただいていますが、効率が悪く、お金がかかるので、私は断ってきました。加工場や直売店を併設する場合は別ですが、流通面・人件費その他あらゆる面で費用が変わります。

バナメイは淡水ではなく『海水を利用する』『過疎地対策になる』ところに価値があります。バナメイは高級魚ではないわけで、大量生産方式で一匹当たりの生産原価を下げないと輸入品と価格競争できません。設備費はともかく生産原価を上げる要因は極力排除したいと考えています。

?⑩人工海水等利用の内陸面バナメイ養殖

土地利用についての制限等で海水取水が出来ず、地下海水や温泉水を利用する等も、水質によりますが可能です。

『付加価値をつける企画・販売方法があるので、生産経費が掛かってもよい』という場合にはご相談ください。経費をより少なくできる方法もあります。

そのキーは海のミネラル陸のミネラルのバランスです。植物に必要なミネラルと動物に使うミネラルは違いますので、それをうまく使い分けます。

 

⑪大量生産・共同体方式

大量生産・共同体方式は「私企業向け」と分けて、『大量生産漁業団地システム』としてご提案していますのでご参照下さい。

?⑫ランニングコスト

ランニングコストとして最も大きくなるであろう人件費・暖房コストですが、1槽でも4槽でも大差はありません。

最低2槽(10万匹)出来れば4槽(20万匹)が望ましい。